開発STORY

エアスコープ開発ストーリー

1.エアスコープとはどのようなものですか?

エアスコープは、ファイバースコープと呼ばれる内視鏡の映像をiPadに映し出すための装置です。
従来の内視鏡は、基本的に患者が病院に行かなければ受けられない検査ですが、本エアスコープとファイバースコープ、iPadを組み合わせることで、例えば、患者の自宅やベッドサイドでの内視鏡検査が可能となります。


2.なぜエアスコープを開発することになったのですか?

数年前から、大田区の医師(細田先生 大田病院)が主催している介護支援研究会という勉強会に時々参加させて頂いていたのですが、その勉強会で、後にエアスコープの開発ドクターとなる福村先生(鶴岡協立リハビリテーション病院)にお会いしたことがきっかけです。

福村先生は約5年前から、高齢者がうまく食べ物を飲み込めずに起きる「誤嚥性肺炎」を減らす取り組みを地域ぐるみで行っており、その発生率を1/10にできる方法を確立されていました。

聞いてみますと、その方法はとてもシンプルで、早期に食べ物がうまくの見込めない人を内視鏡検査で発見し、リハビリを実施するという方法でした。

しかしながら、内視鏡検査を行うためには患者に病院に来てもらう必要があり、そのことが高齢者の負担になってるとのお話でした。

そこで福村先生は、病院ではなく、患者の自宅やベットサイドでも実施できるようにファイバースコープとよばれる覗き込むタイプの内視鏡の接眼部に、手作りでCCDや家庭用ビデオカメラを取り付け、家庭にある一般のテレビに接続して検査を実施していました。

その効果は素晴らしく「誤嚥性肺炎」の発生率が1/10以下にコントロールできているとのお話でした。

お話を聞いて、とても素晴らしい取り組みあると感じた一方で、先生がご自身で機器を作るようでは、折角の手技も普及しないのではと強く感じました。

先生自身、大手医療機器メーカーに専用機の開発を打診し続けていたそうですが、事業規模等の理由からなかなか良い返事がもらえず、困っている状況でした。

そこで介護支援研究会を通じて、専用機の開発を依頼に来られたという状況でした。

介護支援研究会には、大田区を中心とした「ものづくり」のエキスパートが沢山いらっしゃったのですが、やはり医療機器という事で、皆さん躊躇されている状況でした。

私自身、たまたま前職で医療機器の開発経験があったので「誰も手を挙げないのであれば、可能な範囲で協力させて頂きます・・・」といった感じでスタートしました。


3.開発にあたって苦労したとことは?

それまでの当社の事業は、医師向けの医学セミナーやをインターネットで配信する等の情報サービス事業でした。
医療という接点はあるものの、今回の製造業とは全く別物であり、新たに会社を1つ興す位の取り組みが必要でした。

何をやる必要があるかは前職の経験で一通り分かっていましたが、何せ開発を進めるためには「開発費」の目処をつける必要がありました。
しかしながら、開発費を到達するためにはそれなりの事業実現性を提示する必要があり、その1つの取り組みとしてビジネスコンテストに出場したりもしました。

福村先生の素晴らしい取り組みと本機の社会的意義を伝える事で、コンテストでは幸運にもファイナリストに残る事ができました。
このような取り組みを続けて行くうちに、少しづつ支援者も増え、開発を続ける事ができました。
また、今回は本機を待ち望んでいる医師達からも融資頂けたことは、開発のモチベーションにもつながりました。

もちろん資金以外にも当社だけでは解決できない課題が沢山ありましたが、ここでも多くの企業にご支援頂きながら前進して行きました。

そうして完成したのがエアスコープAS2011です。
2014年には次世代機エアスコープAS2015を開発し、画質が向上してます。


4.今後の展望を教えてください。

エアスコープが提供する価値は、これまで病院でしか受ける事ができなかった内視鏡検査を、病院以外でも実施できるようになったことです。

もちろん、全ての検査や手技ができる訳ではないですが、医師と患者への新たな可能性の提供につながります。

色んな先生方のお話を聞いていて分かった事は、その適用が嚥下内視鏡に留まらないという事です。
例えば、在宅での胃樓交換や、呼吸器の観察等でも使ってみたいとの声も頂いています。
多くの先生に、色んな可能性を見いだして欲しいですね。

それから、価格的にも病院据え置きの内視鏡と比べると1/5程度ですので、例えば、発展途上の国々にも需要があるのではと感じています。
今回、モニタとしてiPadを採用したのも、海外での入手性を考慮した部分が大きいです。

「医師の支援を通して患者の恩恵を最大化する事」が当社のミッションですので、引き続き先生方のご要望に耳を傾けながら、前進して行きたいと思います。

引き続きのご指導・ご協力を宜しくお願いします。


リブト株式会社
代表取締役 後藤 広明